人格の成り立ちについて

[人格の成り立ちについて]

とある人との付き合いによって、人格の成り立ちを学んだ。
本来白黒が混ざり合い灰色なのが普通。
問題ある生い立ちを経ると、人格が分かれて行くそうだ。
(私自身が問題大ありな人生を歩んできた事を保証する)
私の中には四人いる。
性格の全く違う四人がゆるく分裂している状態。
これがきっぱり分離すると乖離性~になるのだが、言うほど実生活に支障をきたさないレベルの人ならばごまんといる。
私もその中の一人だ。
頭の中は「脳内ポイズンベリー」に似た状態である。
ただあそこまで明確にお互いを認識していなかったし、モードが切り替わると他の人格は縮んで小さくなる。
今まで気づいていなかったが、私は4人格をゆるくローテーションして生きていたのだ。

人格紹介

・のんびり少女、小学校高学年
基本人格。
丸くてふっくらしている。
時間の概念がなく、家を出る時間に出発できずにもたもたする。
ゆっくりすることが好き。
布団にくるまり延々と本を読む。
食べることも好き。
自分に甘い。目先のことにとらわれる。
基本的には性格の良い子供。温厚。


・真面目ヒステリー女、二十代半ば
時間を守れない自分を変えねばと思い生み出した人格。
時間を守らない子供にイライラしており、たまに発狂状態になる。
〆切、時間、あるべき姿などルールを絶対に守りたい。
自分が決めたことを守れないと泣き叫び、闇化して他人格諸共乗っ取る。
また周りの人間が大嫌い。切れてる時は心の内で周囲に毒づいている。
切れると手に負えないが、普段の実生活、家事、公共料金支払いなどは彼女がやってるいので感謝している。
また仕事モードはこの人の領域。切れるスイッチさえ入らなければ真面目でカッチリ仕事をやり終える有能なやつ。
「大人」なので、危険予測をして回避する能力がある。


・柄が悪い青年、十代後半
自分がお嬢さん育ち(勿論皮肉だが)なため、不良に憧れる時期がありそこから生まれた。
主に思春期から自立するまでの親への対応を担った。
普段は野蛮ぽい振る舞いをする。足で物を蹴ったり、行儀が悪い。
言葉使いも悪い。だが真実を言い当てる能力に長ける。
野蛮だからこそ葉に衣着せぬ物言いができる。
暴力的で衝動に駆られると物に当たる。
この人も闇化する時があり、なるべくダメージの少ない物体を選んで気の済むまで発散する。
この人も人間大嫌い。人の嘘を見抜く。


・妖精
きゃっきゃしている。
人を驚かせる、喜ばせるのが好き。
策を練ってサプライズし、物陰から見てウシシと笑う。
企みを思いつくと、先延ばし可能な優先事項(身体を休めたり)を置き去りにして突っ走り完遂しようとする。
喜びが主題なので基本的には善良。


人格紹介は只の備忘録だ。
だが面白いので、思い当たる人は自分の中を探してみるのもいいかも知れない。
どんなに困った人格でも(私の場合は切れて闇堕ちする2人)必ず生まれた理由と、他に役立つ側面がある。
だからもし見つけても、嫌わないであげてほしい。
嫌われたと感じると余計グイグイ出てくるそうだ。
去年、毎朝切れて闇堕ちしまくる真面目ヒステリーが本当に嫌だった。
周りのスピードが遅い人間に心の内で怒鳴り散らし、幸せそうな人間に悪態をついた。
嫉妬深く、私には到底手に入らないものを持ってる人が大嫌い。
でも彼女は私の実生活を回してくれている。
その側面を理解してから段々落ち着いていった。

その理解が深まったのは、深い付き合いをした人がそういう側面の強い人だったからだ。

普段は理性的で聡明だが、怒ると相手の言い分を全く取り入れる事なく言葉で殴り続ける人。
感受性を固めてしまい、何も感じなくすることで奥に潜む柔らかい自分を守ってきた人。
いずれも大きな二面性があり、大きな傷を負ってきたことが分かる。
でも傷があるからって、他人を傷付けて良い訳ではない。
傷つけ方にも色々あるが、直接的に口撃を仕掛ける事もそうだし、優しさを過剰に要求することもそうだ。
(その人達には感謝もしてるし、悔しい思いもした。)

そして私自身目先しか見えない事に甘んじていたのだが、先日一同が対面するという珍奇な出来事があり、「野蛮」に私の見たくないものを言い当てられてしまったのだ。

なんと私が人に優しくする、情に流されるのは、自分のやりたい事がなんとなくできずに空っぽという真実を見ない為のベールだったのだ。
勿論人に優しくする理由は他にもある。好きな人には笑ってほしいし、元気になってほしい。その為にはある程度時間や力を使ってもいい。そうすることで心が穏やかになる。
それも大きな理由だが、台風の目には「空っぽ」があり、周りを覆う雲が善良な理由だ。
中心は誤魔化せなかった。それを「野蛮」が指摘したのだ。

私は今も岐路に立ってて、これからも沢山の分岐を選ぶ。
すぐに道は見つからないだろうが、少しずつ誤魔化しの少ない道を選ぶ事で、空っぽが埋まるのではないかと期待している。
その選択を四人で相談して決めるのだ。