本の叡智

藁も掴みたいこの現世、本が頼りだった。だが本もピンキリ。死にそうな時に掴んだ藁、こりゃ藁じゃねえ、立派な木彫りの船だ、何よりも輝いて見える。って本を紹介。

豪華客船やフェリーは望まない。それらは自分で動かせないから。他人と石油に頼り切りの船ではなく、自分の智慧と工夫で波を乗り越えたい。そのヒントになってくれる本達。アフィではない。時折追加変更するかも。紹介では便宜上密林を貼っているが、通販はなるべく楽天等を使うようにしている。一応日本企業だから。お金の流れを考えるとそうした方がいいかなって、ささやかに。

 

多分地球の奥底かどこかに智慧の泉がある。これは確信に近い。そこにアクセスしてる人が居る。淀みも飲みくだした後に強くなって、体内で濾過した智慧を伝授していく人達。少数なんだけど居て、同じ水源の匂いがする。善によって立つ者。

なお、作者全てを賛美するものではない。ある分野でとても的確なことを言う人が違う分野だとなんか違うくない?と思う事は結構ある。

盲信は知を妨げるので、私はしないようにしている。例えば1人の意見の中に、信用できる、腑に落ちる部分8割、うーんどうかな2割あるとしたら。この2割はとても大切な違和感なので、潰さず持っておきたい。なぜ違和感を持つのか、そこに重大なヒントが隠れていたりするから。

 

 

A1)仕事_[自分の頭で考えて動く部下の育て方 上司1年生の教科書] 篠原信
自分の頭で考えて動く部下の育て方 上司1年生の教科書
 

部下を持って悩む人。上司が意味不明で困っている人に。丁度初めて部下を持ったタイミングで出版された。以前からTWで聡明な意見を拝見していたので即買い。本質を突きつつ大変具体的な指南で、かなり実践に用いたし、その後チームを運用できて仕事を遂行できた。部下側が読んでも良いと思う。あとこの本を会社の人の目に付くところに置いて、色んな人がちょろっと読めるようにしておくと、多分無駄な諍いが無くなって会社が平和になる。

 A2)子どもの地頭とやる気が育つおもしろい方法 篠原信 著
子どもの地頭とやる気が育つおもしろい方法

子どもの地頭とやる気が育つおもしろい方法

 

テーマと違うけど、同著者の子供を育てる本も大変秀逸。育児で悩む人必見。私は子供居ないし産む気も無いけど、インナーチャイルドは育てている。自分の中の子供という存在とどう接したらいいのか、向き合えばいいのか混乱した人は読むと良い。

 

B)心としごとの折り合い_[ゆっくり、いそげ] [続・ゆっくり、いそげ] 影山知明 著
ゆっくり、いそげ ~カフェからはじめる人を手段化しない経済~

ゆっくり、いそげ ~カフェからはじめる人を手段化しない経済~

 

今の日本の社会システム、お金って何?心の在り方を活かす仕事を問題提起し、それを解決すべくカフェ運営・経営をしながら実験を繰り返している影山さんの著作。ミヒャエル・エンデの思想に基づく店作り。(ちなみにエンデおじちゃんは近代の魔術師。[モモ][はてしない物語]は有名だが、お金というシステムに対して沢山の意見を述べている。)人が好きに枝を伸ばせる社会を作りたい、というのが恐らく影山さんの想いなのでは、と推測。人が有機的に一つの木のように、スタッフが、お客が、また別のお店が繋がって森のようになる様。とても価値ある社会実験?を日々されている。胡桃堂、クルミドコーヒーはとても良いお店なので一度訪問されると良い。(全員が森に住めるかというとそうでもない。旅人は住めないのだ…私多分それ該当かな…)

「続」はアマゾンや一般の書店には置かず、手刷り製本(で合ってたかな)という大変な手間をかけてるはずの低価格な査読版が、お店やつながりのある店舗で買える。なお、書き込みできるスペースが下部にあるので、「自分はこう思った」等意見を忘れないようメモし、フィードバックを胡桃堂書店に送ると、完成版に反映されるかもしれない。(フィードバックは本当に重要だと思う…仕事でも常にそれを感じていた。感想もらって初めて完成する。)

 

C)おかねほしい、より以前に貨幣とは何か_[エンデの遺言 根源からお金を問うこと]
エンデの遺言 ―根源からお金を問うこと (講談社+α文庫)

エンデの遺言 ―根源からお金を問うこと (講談社+α文庫)

 

書き途中。疲れちった休憩。

 

D)宗教は人を救うか?_[臨済録
臨済録 (岩波文庫)

臨済録 (岩波文庫)

 

臨済録は仏教、禅の本。世界に存在する宗教、ケルト古事記とホピは調べたんだが、大体同じ事言ってる。神様の名前は違うけど、同じ存在を指してるのでは?と考えてる。(キリスト教は違うと考えてる。信じてる人を否定するわけでは無い。)

仏教は宗派が色々あるが、一番考え方がしっくりくるのが禅。

「弟子)色々と足りない身ですが教えて下さい!頑張って精進しまっす!発奮」

「師)うんち投げΣ他人の言う事鵜呑みにするな。そなたは既に全てを持っている。足りないものは無く探しに行く必要も無し。楽にやれ楽に」

某仕事中、昼休み泣きながら読んでた本。師がうんち投げるのはマジ。2章から本題なので1章は飛ばしても良い。

 

E)こころをひもとく、癒す_[ちひろ][ちひろさん][寿司ガール]安田弘之
ちひろ 上

ちひろ 上

 
ちひろさん 1 (A.L.C.DX)

ちひろさん 1 (A.L.C.DX)

 
寿司ガール 1巻 (バンチコミックス)

寿司ガール 1巻 (バンチコミックス)

 

これ抜きに私の半生語れない、巨大な鍵。その奥の巨大な扉を開ける為の。人によってはターニングポイントに。心優しい人程この世の勢力争いに負け、本来の形で生きられない為苦しむ。その理由と、変貌する前の元の形を思い出し、楽になる。現世の渡り方。これら全ての教科書。

深淵を覗くと良い事あるぞ。強くなれる。柔軟にしなやかに。ガチガチに固まった脳と筋肉をほぐす為に涙が存在する。「巨大な扉なんて私には無いよ…」なんてバカ言っちゃいけねえ。自分を軽く見るな。分厚いかさぶたはその扉を隠す為に存在すると見ている。かさぶた剥がして一緒に深淵見よ!痛いけど、そこ越えたらすんげー楽しいから。それだけは保証できる。実体験の生存バイアスかかってるけど。

私がこんな面倒くさい紹介記事書くのは「仲間がほしいから」その一心で。1人で進むのつまらない。1人は速くて的確なんだけど本音はパーティがほしい。

話戻り、この作品は灯台。群に染まれない人達にだけ見える光、その下に集まる事でお互いを見つける事ができる。そういう使い方もできる。

自分と安田先生との出会いは

点線面〈vol.1〉生きづらさを感じる心に効く―漫画『ちひろ』『ちひろさん』の世界

点線面〈vol.1〉生きづらさを感じる心に効く―漫画『ちひろ』『ちひろさん』の世界

 

にて書きました。ブログ内だと関連記事はこれとかこれとか。

 

F)捕食する人される人_[良心をもたない人たち]マーサ・スタウト著
良心をもたない人たち (草思社文庫)

良心をもたない人たち (草思社文庫)

 

サイコパスと呼ばれる人達の生態について詳しく書かれている。敵を知るにはまず情報から。

サイコパスは知能によって行動が変化する。知能が高ければ悪辣な行動を隠すことができる。人の弱みに付け込んだ脅迫や、それと分からないよう偽装する能力が高い。人を人とも思わず使うので出世スピードが速いなど。逆にそこまでの行動力や知能が無い場合は人に寄生して生きていくようだ。共通するのは勝ち負け、人から搾り取る、人の心につけ込む、等。普通の人は「気が咎める」心の動きだが、この人達は「気が咎めない」。行動のブレーキが無い。知能が高い場合、損をすると分かっている場合は歯止めがかかるようだ。法律はこういう人にある程度は有効である。

私が過去体験したのは後者、寄生型の女性だった。親以外の他人から『私の考える以外の行動をしたら何をするか分からない』と脅迫されたのは初めてだった。ここまであからさまな脅迫、平和に生きてたら普通見ない。ただ彼女は精神的にかなりおかしかったので精神的な病の可能性も高かった。だがそれをおしても覆せない本の事例とのシンクロ率が高かったので、そのように判断した。

この人達、要点だけこのように書くと「こんな人すぐ分かるし避けるよ」と思うかもしれないが、彼らは擬態がとても上手で、特に外面が良い。生き延びるには隠すこと、というのは事象を学んで理解している。DV夫が外面良く、家では妻に嗜虐心、の構図によく似ている。また、被虐者に対してもそれと分からないように振舞い掠め取っていく事も多い。本にも書かれているが、「解決法は正体を見抜いたら、一切関係を断ち物理的に逃げる事」である。

人は自分の定規で他人を測る。だから「いい人」が過ぎる人は「自分がこれ程良心的なので、他人も同じだろう」と勝手に思っている。自分が行った優しさをいずれ返してくれるだろうと。

優しさと傲慢を併せ持つ人は「自分が何かする事で心が育つかも知れない」と考えたりもする。だが一切無駄。種があれば水をやれば育つ事もあるが、種がない場合は水をやる意味はない。寧ろ血を吸われる。生態が違うからだ。同じ人間の皮を被った、違う種族と考えた方が良い。この世は色んな種族のサラダボウルだ。

優しさの交換で世界が成り立っていると信じている人は「いい人」だ。だがこの世が良い人だけで成立しないので格好の鴨になってしまう。鴨に罪はないが、無知よりは知っている方が辛くはない。自衛は攻撃ではないし、最低限必要だ。

書いてる日によって口調が違う。まあいいか。

 

G)虐待百景-コントロールする親、他様々_[毒になる親]スーザン・フォワード著
毒になる親 一生苦しむ子供 (講談社+α文庫)

毒になる親 一生苦しむ子供 (講談社+α文庫)

 

毒親という単語がようやく普及してきた。大元のネタはこの本なのではないか?と思うのだが合ってるかな。

殴る蹴るは明らかに虐待で、他人の目から見ても非常にわかりやすい。だが言葉はどうだろう。「1『99点』?あと1点どこで落とした?」「2この子は本当に出来が悪くて」「3お母さん死んだ方があんたにとって良いかなぁ?」「4門限までに帰らないなら学費払わんけど」「5あんた私に似てだんごっ鼻で可哀想」「6育てたように子は育つ…(泣きながら。暗に子育てを失敗したと当の子供に仄めかしている)」「7その服けったいやなあ(関西弁の貶し言葉。服屋で子供が選んだ服に対して)」さてどれが虐待に該当するか。まあ全部です。どれも実際の台詞揃い踏み。言葉での虐待はあからさまな罵倒以外、非常に分かりにくく狡猾。言外に含まれた『お前は駄目だ』の意思を強く感じる。そして親自身が未消化の問題を子供に押し付けている。「あなたのために言った」という言い訳も自由自在だ。これらの言葉は全て呪詛であり、子供はかなり強固な呪いにかかる。

この手のやり口は非常に分かり辛く、本人は親に感謝しようという常識と板挟みにあって自覚しないまま大人になり、精神的に問題が噴出しいわゆる「生き辛い」状況になる。解呪はまず敵を知ることから始まる。自分がどのタイプの親に育てられたか分類し、世界中で同じ扱いを受けた人がおり、その人がどうなったかを知る。[親を許せ]という本が世に反乱していると聞くがこの本は[許す必要ないから距離を置け]という本。上のサイコパス同様、分かり合えないなら一緒に居る意味は全くない。分かって欲しいから訴える、やり返す、これらはほぼ意味がない。同じ言語なのに話はできない。子供の主張を理解しない。思考回路も行動原理も違う。胎は借りたが魂の系譜は別。そう考えると一番しっくりくる。親自身非常に傷けられて育った場合、かさぶたが覆い尽くして甲殻類になり中身が消失してる人もいる。救う事は難しいので離れるが吉。まず自分を救う事が全て。

折角だから解説載せておくか。

1『99点』?あと1点どこで落とした?-絶対子供を褒めない

2この子は本当に出来が悪くて-他人に晒す事で辱める

3お母さん死んだ方があんたにとって良いかなぁ?-子供がYESと言った場合被害者面できる誘導尋問

4門限までに帰らないなら学費払わんけど-金銭による行動制限

5あんた私に似てだんごっ鼻で可哀想-容姿を貶す呪いにより、子供は自信を持てなくなる

6育てたように子は育つ…(泣きながら。暗に子育てを失敗したと当の子供に仄めかしている)-子供に自分が失敗作であると誤った自覚をさせる

7その服けったいやなあ(関西弁の貶し言葉。服屋で子供が選んだ服に対して)-子供は自分が選んだものが間違いではないかと常に怯えるようになる 

無理やりな「許し」はトラップでは?と考えている。心の動きに背く事は自分への裏切りだからだ。憎しみ、悲しみは使い方を間違えなければカンフル剤になる。諦めから脱却するためのスターターなので非常に大切だ。もし「許し」があるとしたら、苦しみから抜けて抜けて駆け抜けて、後ろを振り向く必要なく楽しくなった先に存在するかも知れない。私もまだ未踏の地だし、許さなくて良いルートも存在すると思う。人による。

 

やだ〜どんどん長くなる〜最初軽い紹介のつもりだったのに〜。一旦トメ。